ともかくも 違ふべ 082

2021-03-08

原文 読み 意味 帚木05章21@源氏物語

ともかくも 違ふべきふしあらむを のどやかに見忍ばむよりほかに ますことあるまじかりけり と言ひて わが妹の姫君は この定めにかなひたまへりと思へば 君のうちねぶりて言葉まぜたまはぬを さうざうしく心やましと思ふ

ともかくも たがふ/べき/ふし/あら/む/を のどやか/に/み/しのば/む/より/ほか/に ます/こと/ある/まじかり/けり と/いひ/て わが/いもうと/の/ひめぎみ/は この/さだめ/に/かなひ/たまへ/り/と/おもへ/ば きみ/の/うち-ねぶり/て/ことば/まぜ/たまは/ぬ/を さうざうしく/こころやまし/と/おもふ

(頭中将)とにもかくにも、気のそまぬ点があろうとゆったりかまえ辛抱するよりほかいい手立てはないでしょうねと言って、自分の妹君である葵の上はこの結論通りでおられると思うが、光の君は狸寝入りして言葉をお挟みにならないので頭中将はじれったくいらだたしく思う。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 を…と思ふ:五次

〈[男]〉ともかく 違ふべきふしあらむ のどやかに見忍ばむよりほか 〈ますこと〉あるまじかりけり 〈[頭中将]〉と言ひて わが妹の姫君は この定めにかなひたまへりと思へ 〈君〉のうちねぶりて言葉まぜたまはぬ さうざうしく心やましと思ふ

助詞と係り受け

ともかくも 違ふべきふしあらむを のどやかに見忍ばむよりほかに ますことあるまじかりけり と言ひて わが妹の姫君は この定めにかなひたまへりと思へば 君のうちねぶりて言葉まぜたまはぬを さうざうしく心やましと思ふ

「ともかくも」→「見忍ばむ」

古語探訪;失われた意味を求めて

のどやかに見忍ばむよりほかにますことあるまじかりけり 02-082

左馬頭の発言「恨むべからむふしをも憎からずかすめなさばそれにつけてあはれもまさりぬべし多くはわが心も見る人からをさまりもすべし/02-076・/02-077」を受ける。ただし、左馬頭は女に耐えることを要請したのに対して、頭中将は男である光源氏に忍耐を要請した点で、得手勝手な論になっている。

うちねぶり 02-082

寝たふり。

さうざうしく 02-082

反応のない点へのもの足りなさ。

心やまし 02-082

劣等意識と結びついた不快感をあらわす。この提案を受け入れれば光源氏と妹葵の上の夫婦仲がうまくいくと思い、日頃の劣等感も取り消せるはずであったのが、とりあってもらえず、頭中将は不快に感じている。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:男(光源氏)女(葵の上)頭中将光源氏

分岐型:A→B→(C→)D:A→B→D、C→D

ともかくも 違ふべきふしあらむを のどやかに見忍ばむよりほかに ますことあるまじかりけり》A
とにもかくにも、気のそまぬ点があろうとゆったりかまえ辛抱するよりほかいい手立てはないでしょうね

と言ひて わが妹の姫君は この定めにかなひたまへりと思へば》B
と言って、自分の妹君である葵の上はこの結論通りでおられると思うが、

君のうちねぶりて言葉まぜたまはぬを さうざうしく心やましと思ふ》C・D
光の君は狸寝入りして言葉をお挟みにならないので頭中将はじれったくいらだたしく思う。

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