月も入りぬ 雲の上 098

2021-03-08

原文 読み 意味 桐壺07章18@源氏物語

 月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

つき/も/いり/ぬ くも/の/うへ/も/なみだ/に/くるる/あき/の/つき いかで/すむ/らむ あさぢふ/の/やど

月も沈んだ。雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

文構造&係り受け

主語述語と大構造 も入りぬ:一次秋の月:二次浅茅生の宿:二次

〈月〉も入りぬ 〈雲の上〉もにくるる秋の月 | いかですむらむ浅茅生の宿

助詞と係り受け

月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

「雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生の宿」:母君の返書中の歌「荒き風ふせぎし蔭の枯れしより小萩がうへぞ静心なき/01-086」に対する返歌。


「雲の上も涙にくるる秋の月」「いかですむらむ浅茅生の宿」:対の関係

入り 雲くるる秋月 いかですむらむ 浅茅生宿

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:ぬ らむ

  • :完了・ぬ・終止形
  • らむ:現在推量・らむ・終止形
敬語の区別:φ

月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

すむ 01-098:静心なきの歌の返歌

「澄む/晴れる)と「住む/暮らす)の掛詞。「静心なき」に対する応答になっている。娘を失って(母を失って)気が動顛するのも仕方ないでしょうとの答え。もちろん、帝を非難している裏の意味に対しては無視。おそらく、命婦の代詠であろう。

雲の上 01-098

雲上(うんしゃう、うんじゃう)、即ち、宮中。

浅茅生の宿 01-098

桐壺更衣の母君の里。もちろん光の君のことを案じて思いやるのである。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:光源氏と桐壺更衣の母君

中断型:A|B|C:A、B、C

月も入りぬ》A
月も沈んだ。


雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ浅茅生の宿》B・C
雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

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