下のきざみといふ際 028
目次
原文 読み 意味 帚木02章20@源氏物語
下のきざみといふ際になれば ことに耳たたずかしとて いと隈なげなる気色なるもゆかしくて
しも/の/きざみ/と/いふ/きは/に/なれ/ば ことに/みみ/たた/ず/かし/とて いと/くまなげ/なる/けしき/なる/も/ゆかしく/て
(頭中将)下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、
文構造&係り受け
主語述語と大構造 もゆかしくて:四次
@〈[女]〉下のきざみといふ際になれば ことに〈[男の]耳〉たたずかしとて@ 〈[頭中将]〉いと隈なげなる気色なるも〈[光源氏]〉ゆかしくて
助詞と係り受け
下のきざみといふ際になれば ことに耳たたずかしとて いと隈なげなる気色なるもゆかしくて
「耳立たず」は自動詞。男の耳のアンテナが動かないことを言う。主語は殿方。
古語探訪;失われた意味を求めて
隈なげなる 02-028:隈なきもの言ひと対比的
暗いところのない、すべてを知りつくした、と解釈されているが、後の左馬頭の論に対して「隈なきもの言ひ/02-061」とあり、これと対比して使用されている。「げ」とあるので、一見そうだが、本当はそうでない、見かけ倒し、とのふくみを見逃してはならない。
きざみ 02-028
上の品、中の品、下の品、という品の区分よりも細分化した区分。ただし、ここは「下の品」と同意で用いられていると見てよい。
気色 02-028
様子。
ゆかしくて 02-028
知りたいの意味。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:下の品の女/世の男/頭中将/光源氏
直列型:A→B→C:A→B→C
《下のきざみといふ際になれば・ことに耳たたずかしとて》A・B
下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、
《いと隈なげなる気色なるもゆかしくて》C
えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、