忍ぶれど涙こぼれそ 072
目次
原文 読み 意味 帚木05章11@源氏物語
忍ぶれど涙こぼれそめぬれば 折々ごとにえ念じえず 悔しきこと多かめるに 仏もなかなか心ぎたなし と見たまひつべし
しのぶれ/ど/なみだ/こぼれ-そめ/ぬれ/ば をりをり/ごと/に/え/ねんじ/え/ず くやしき/こと/おほか/める/に ほとけ/も/なかなか/こころぎたなし と/み/たまひ/つ/べし
(左馬頭)こらえてもいったん涙がこぼれてしまうと、なんぞことあるごとに我慢しきれず、後悔することも多かろうゆえ、仏も尼になったのにかえって未練がましいときっとご覧になるでしょう。
文構造&係り受け
主語述語と大構造 に…も…と見たまひつべし:五次
〈[女]〉忍ぶれど〈涙〉こぼれそめぬれば 折々ごとにえ念じえず 〈悔しきこと〉多かめるに 〈仏〉もなかなか心ぎたなしと 見たまひつべし
助詞と係り受け
忍ぶれど涙こぼれそめぬれば 折々ごとにえ念じえず 悔しきこと多かめるに 仏もなかなか心ぎたなし と見たまひつべし
「なかなか心ぎたなし」は女に対して、仏がそう思うということ。
古語探訪;失われた意味を求めて
なかなか 02-072
出家したからには、世間のことを忘れて仏道に励むべきなのに、出家したことがかえって徒になってくよくよすること。
心ぎたなし 02-072
未練、思い切りが悪い。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:女/仏
直列型:A→B→C→D:A→B→C→D
《忍ぶれど涙こぼれそめぬれば・折々ごとにえ念じえず・悔しきこと多かめるに》A・B・C
こらえてもいったん涙がこぼれてしまうと、なんぞことあるごとに我慢しきれず、後悔することも多かろうゆえ、
《仏もなかなか心ぎたなしと見たまひつべし》D
仏も尼になったのにかえって未練がましいときっとご覧になるでしょう。