人より先に参りたま 013

2021-03-07

原文 読み 意味 桐壺02章07@源氏物語

人より先に参りたまひて やむごとなき御思ひなべてならず 皇女たちなどもおはしませば この御方の御諌めをのみぞ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

ひと/より/さき/に/まゐり/たまひ/て やむごとなき/おほむ-おもひ/なべて/なら/ず みこ-たち/など/も/おはしませ/ば この/おほむ-かた/の/おほむ-いさめ/を/のみ/ぞ なほ/わづらはしう/こころ-ぐるしう/おもひ/きこエ/させ/たまひ/ける

エ:や行の「え」

誰より早く入内され、帝にしても第一夫人として尊んでおいでのお心持ちは大変なものがあり、皇女までも授かっておいででしたから、この方のお諌めばかりは、さすがにわずらしく心苦しく思いながらも、耳をお貸しになるのでした。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 ば…をのみぞ…思ひきこえさせたまひける:三次

〈[弘徽殿の女御]〉よりに参りたまひて やむごとなき〈御思ひ〉なべてならず  〈皇女たちなど〉もおはしませ 〈[帝]〉この御方の御諌めをのみぞ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

助詞と係り受け

人より先に参りたまひて やむごとなき御思ひなべてならず 皇女たちなどもおはしませば この御方の御諌めをのみぞ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

  • 人より先に参りたまひてやむごとなき御思ひなべてならず・皇女たちなどもおはします/並列+→この御方の御諌めをのみぞなほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

より参りたまひ やむごとなき御思ひなべてならず 皇女たちなどおはしませ こ御方御諌めのみ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:なら ず させ ける

  • なら:断定・なり・未然形
  • :打消・ず・連用形→おはします
  • させ・尊敬・さす・連用形/「させたまふ」:最高敬語
  • ける・継続・かり・連体形/「ぞ」の結び
敬語の区別:参る たまふ 御 おはします 御 御 きこゆ させたまふ

人より先に参りたまひて やむごとなき思ひなべてならず 皇女たちなど もおはしませば この方の諌めを のみ ぞ なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

人より先に参りたまひて 01-013

宮廷へ参内する。東宮の母である弘徽殿の女御が誰より早く、帝に入内したこと。すなわち、この女は帝の最初の女であるという特別な地位にある。童貞であったかどうかは別。乳母などによって教育されることが多い。

やむごとなき御思ひ 01-013

帝が弘徽殿の女御をこの上なく大切に思うこと。

皇女たちなども 01-013

「も」は皇子のほかにも。

この御方 01-013

弘徽殿の女御。

なほ 01-013

それでもやはり。桐壺更衣をいくら寵愛しようとやはり。

わずらはしう心苦しう思ひきこえ 01-013

無視できない結果として、悩ましく心苦しくお思いになった。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:他の女御・更衣弘徽殿の女御

分岐型:A+B→C→D:A+B→C→D

より先に参りたまひて・やむごとなき御思ひなべてならず皇女たちなどもおはしませば》 A・B
誰より早く入内され、帝にしても第一夫人として尊んでおいでのお心持ちは大変なものがあり、皇女までも授かっておいででしたから、


この御方の御諌めをのみぞ・なほわづらはしう心苦しう 思ひきこえさせたまひける》C・ D
この方のお諌めばかりは、さすがにわずらしく心苦しく思いながらも、耳をお貸しになるのでした。

 

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