内裏より御使あり 040
原文 読み 意味 桐壺04章05@源氏物語
内裏より御使あり 三位の位贈りたまふよし 勅使来てその宣命読むなむ悲しきことなりける
うち/より/おほむ-つかひ/あり み-つ-の-くらゐ/おくり/たまふ/よし ちよくし/き/て/その/せんみやう/よむ/なむ/かなしき/こと/なり/ける
宮中から使者が来て、三位のくらいを追贈なさる旨を伝えた。勅使が来て、三位追贈の宣命を読み上げることこそ悲しいことであった。
文構造&係り受け
主語述語と大構造 あり:一次|よし:二次|なむ悲しきことなりける:二次
内裏より〈御使〉あり|〈[帝]〉三位の位贈りたまふよし|〈勅使〉来てその宣命〈読む〉 なむ 悲しきことなりける
助詞と係り受け
内裏より御使あり|三位の位贈りたまふよし|勅使来てその宣命読むなむ悲しきことなりける
内裏より御使あり 三位の位贈りたまふよし 勅使来てその宣命読むなむ 悲しきことなりける
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助詞・助動詞の識別:なり ける
- なり:断定・なり・連用形
- ける:喚起・けり・連体形/係助詞「なむ」の結び
敬語の区別:御 たまふ
内裏より御使あり 三位の位贈りたまふよし 勅使来てその宣命読むなむ 悲しきことなり ける
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪;失われた意味を求めて
御使・勅使 01-040
御使と勅使は別である。「帝より『三位の位を贈りたまふ』とのよしです」と、勅使の来訪を伝える使者が先ず来る。勅使が来たら、それ相応の対応を迫られるので、その準備をする。準備が済んだ頃に、勅使がしずしずと来て「三位の位を贈る」宣命を読むという二段階。桐壺更衣は正四位上であったから、従三位(じゅさんみ)を贈られたことになる。これは女御の位に相当する。
内裏 01-040
宮中。帝のもと。
悲しきこと 01-040
死後の追贈で位があがることはありがたいことであるが、死が社会的にも確定事実とされる。娘はもう戻らないことを改めて確認することになる。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:御使/帝/勅使/桐壺更衣の母
中断型:A|B|C→D:A、B、C→D
《内裏より御使あり・三位の位贈りたまふよし》A・B
宮中から使者が来て、「三位のくらいを追贈なさる旨」を伝えた。
《勅使来て・その宣命読むなむ悲しきことなりける》C・D
勅使が来て、三位追贈の宣命を読み上げることこそ悲しいことであった。