いでや 上の品と思 045 ★☆☆

2021-03-07

原文 読み 意味 帚木03章14@源氏物語

いでや 上の品と思ふにだに難げなる世を と君は思すべし

いでや かみのしな/と/おもふ/に/だに/かたげ/なる/よ/を と/きみ/は/おぼす/べし

(光源氏)どうだか、上流貴族と思う女性の中にさえ予想を越えた女性はめったにいない世の中なのに、と若君はお思いのようである。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 を…と…は思すべし:三次

いでや 〈上の品〉と思ふにだに難げなる と〈君〉は思すべし

助詞と係り受け

いでや 上の品と思ふにだに難げなる世を と君は思すべし

古語探訪;失われた意味を求めて

いでや上の品と思ふだにかたげなる世を 02-045:上流の女性であってもめったにいないとはどんな人のことか

「いでや」は議論に対して、そんなことはないとの反論に用いる。通例、理想の女性が「かたげなる(めったにいない)」と解釈されている。しかし、左馬頭の発言は理想の女性についてではない。左馬頭の話の焦点は、キーワードを拾い出せば自然とわかる。「人に知られず/02-041」「思ひの外に/02-041」「思ふより違へること/02-042」「思ひの外に/02-043」と、繰り返されている。中流の女には予想もしないこんないい女がいるんだとの話。これに対して、光源氏は予想外予想外と言うけど、上流の中にだって、予想外の女なんかめったにいるものではない(藤壺以外には)との意味になる。光源氏は藤壺の宮に対して「似る人なくもおはしけるかな/01-173」と感想を述べている。この議論の最中も、ぼんやりと藤壺のことだけを考えつづけ、議論には積極的に参加していない。この議論を聞いて中流女性に目覚めたと解釈されているが、言葉が事実になるという「(言=事)構造」の例ではあるものの、それは光源氏の意図せぬ結果である。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:中の品で興味をひく女上の品で興味をひく女光源氏

分岐型:A+B→C:A+B→C

いでや・上の品と思ふにだに難げなる世を》A・B
どうだか、上流貴族と思う女性の中にさえ予想を越えた女性はめったにいない世の中なのに、


と君は思すべし》C
と若君はお思いのようである。

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