濁りにしめるほどよ 073
目次
原文 読み 意味 帚木05章12@源氏物語
濁りにしめるほどよりも なま浮かびにては かへりて悪しき道にも漂ひぬべくぞおぼゆる
にごり/に/しめ/る/ほど/より/も なまうかび/にて/は かへりて/あしき/みち/に/も/ただよひ/ぬ/べく/ぞ/おぼゆる
(左馬頭)俗世の濁りに染まっている時分よりもなま悟りでは、かえって悪趣に身を落とすはめになろうと思われます。
文構造&係り受け
主語述語と大構造 ぞおぼゆる:三次
〈[左馬頭]〉〈[女]〉濁りにしめるほどよりも なま浮かびにては かへりて悪しき道にも漂ひぬべくぞおぼゆる
助詞と係り受け
濁りにしめるほどよりも なま浮かびにては かへりて悪しき道にも漂ひぬべくぞおぼゆる
古語探訪;失われた意味を求めて
濁りしめる 02-073
世俗にまみえて生活する。「しめる」は「染む/マ行四段)の已然形+完了「り」連体形。
なま浮かび 02-073
なま悟り。
悪しき道 02-073
この世での悪事の報いとして、死後に向かう苦悩の世界。六道のうち地獄道・餓鬼道・畜生道。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:世俗時代の女/出家後の女/発言者(左馬頭)
直列型:A→B→C:A→B→C
《濁りにしめるほどよりもなま浮かびにては》A
俗世の濁りに染まっている時分よりもなま悟りでは、
《かへりて悪しき道にも漂ひぬべくぞ・おぼゆる》B・C
かえって悪趣に身を落とすはめになろうと思われます。