亡きあとまで 人の 048
原文 読み 意味 桐壺04章13@源氏物語
亡きあとまで 人の胸あくまじかりける人の 御おぼえかなとぞ 弘徽殿などには なほ許しなうのたまひける
なき/あと/まで ひと/の/むね/あく/まじかり/ける/ひと/の おほむ-おぼエ/かな/と/ぞ こうきでん/など/に/は なほ/ゆるし/なう/のたまひ/ける
エ:や行の「え」
亡き後まで心晴れ晴れとさせてはおかぬご寵愛だことなどと、弘徽殿などは死後もなお容赦のないおっしゃりよう。
文構造&係り受け
主語述語と大構造 とぞ…には…のたまひける:二次
亡きあとまで 人の胸あくまじかりける人[=更衣へ]の 御おぼえかなとぞ 〈弘徽殿など〉には なほ許しなうのたまひける
助詞と係り受け
亡きあとまで 人の胸あくまじかりける人の 御おぼえかなとぞ 弘徽殿などには なほ許しなうのたまひける
- (亡きあとまで人の胸あくまじかりける人の御おぼえかな)とぞ弘徽殿などにはなほ許しなうのたまひける
人の胸あくまじかりけり:「AのB」で、Aは主格。
「人の胸あくまじかりける人の御おぼえ」:前の「人」は自分たちの胸、桐壺更衣以外の夫人たちを、後の「人」は桐壺更衣を指す。
亡きあとまで 人の胸あくまじかりける人の 御おぼえかなとぞ 弘徽殿などには なほ許しなうのたまひける
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助詞・助動詞の識別:まじかり ける ける
- まじかり:打消推量・まじ・連用形
- ける:喚起・けり・連体形
- ける:喚起・けり・連体形(係助詞「ぞ」の結び)
敬語の区別:御 のたまふ
亡きあとまで 人の胸あくまじかり ける人の 御おぼえかな と ぞ 弘徽殿など に は なほ許しなうのたまひける
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪;失われた意味を求めて
人の胸あくまじかりける 01-048
「人の」と一般論で語っているが自分たち。死後までも自分たちの気持ちをすっきりさせない状態にさせつづける。「けり」は過去から現代までの継続。
人の御おぼえ 01-048
「人」は桐壺更衣、「の」は目的格。桐壺更衣に対する帝の寵愛。
などには 01-048
などにおいては。
なほ 01-048
死んだ今となってもなお、やはり。
ける 01-048
現代までの継続、死ぬ前から死んだ後でも。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:桐壺更衣/弘徽殿の女御たち/帝
直列型:A→B→C:A→B→C
《亡きあとまで・人の胸あくまじかりける人の 御おぼえかなとぞ》 A・B
亡き後まで心晴れ晴れとさせてはおかぬご寵愛だことなどと、
《弘徽殿などには なほ許しなうのたまひける》C
弘徽殿などは死後もなお容赦のないおっしゃりよう。