御後見だちて仕うま 120

2021-03-09

原文 読み 意味 桐壺08章15@源氏物語

御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて 率てたてまつるに 相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ

おほむ-うしろみだち/て/つかう/まつる うだいべん/の/こ/の/やう/に/おもは/せ/て ゐ/て/たてまつる/に さうにん/おどろき/て あまた/たび/かたぶき/あやしぶ

後見役として宮にお仕えしていた右大弁の、実子になりすまして連れてゆきお見せしたところ、相人は目をみはって幾度も首をかしげて怪しむのです。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 に…驚きて…傾きあやしぶ:三次

〈[右大弁]〉御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて 率てたてまつる 〈相人〉驚きて あまたたび傾きあやしぶ

助詞と係り受け

御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて 率てたてまつるに 相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ

「思はせて」の主語は意味上帝の方がふさわしく思えるが、尊敬語がないので右大弁とする。その方が「思はせて率てたてまつる」の構造がすっきりする。

「思はせて」「率て」(並列)→「たてまつる」

御後見だち仕うまつる 右大弁やう思は 率たてまつる 相人驚き あまたたび傾きあやしぶ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:に せ

  • :断定・なり・連用形
  • :使役・す・連用形
敬語の区別: 仕うまつり たてまつる

後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせ て 率てたてまつるに 相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

御後見だちて仕うまつる右大弁 01-120

物語には書かれて来なかったが、現在、右大弁が祖母を亡くした光の君の実質的な後見役をしている。光の君が元服するにあたっても、帝へのお礼の品を右大弁が用意している。「弁もいと才かしこき博士にて/01-122」とあるので、光の君の漢学の師でもあるのだろう。

子のやうに思はせて 01-120

息子であるように偽装して。

たてまつる 01-120

(本動詞)相人にお見せする。客体敬語で相人に対する敬意を表す。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:右大弁光源氏のこと相人

直列型:A→B→C:A→B→C

御後見だちて仕うまつる 右大弁の子のやうに思はせて・率てたてまつるに》A・B
後見役として宮にお仕えしていた右大弁の、実子になりすまして連れてゆきお見せしたところ、


相人驚きて あまたたび傾きあやしぶ》C
相人は目をみはって幾度も首をかしげて怪しむのです。

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