また絵所に上手多か 087
原文 読み 意味 帚木06章05@源氏物語
また絵所に上手多かれど 墨がきに選ばれて 次々にさらに劣りまさるけぢめ ふとしも見え分かれず
また/ゑどころ/に/じやうず/おほかれ/ど すみがき/に/えらば/れ/て つぎつぎ/に/さらに/おとり/まさる/けぢめ ふと/しも/みエ/わか/れ/ず
エ:や行の「え」
(左馬頭)あるいはまた、宮中の絵所には名人がたくさんいますが、主任である墨書きに選ばれる場合でも、序列通り上手い下手の差など少しも見分けがつかないながら、
文構造&係り受け
主語述語と大構造 しも見え分かれず:三次
また絵所に〈上手〉多かれど 墨がきに選ばれて 次々にさらに劣りまさる〈けぢめ〉 ふとしも見え分かれず
助詞と係り受け
また絵所に上手多かれど 墨がきに選ばれて 次々にさらに劣りまさるけぢめ ふとしも見え分かれず
「次々に」→「見え分かれず」
古語探訪;失われた意味を求めて
また 02-087
木の道の匠で言えることは、絵師の世界でも言える。
絵所に上手多かれど 02-087
宮中の絵師には名人が多いが、その中で墨書きに選ばれるのは一人だけである。では、墨書きに選ばれた絵師と、選ばれなかった絵師たちとの間に、格付け通りの腕の違いがあるかというと、ぱっと見、目に見える差は見えない。
墨がき 02-087
作品ごとのリーダーで、最初に墨で絵の輪郭を描き、彩色の指示を弟子筋に伝え、最後に輪郭を墨で描きなおす。
次々に 02-087
入門者から格付けが厳格にあり、そのランク通りに。
けぢめ 02-087
差。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:絵師/主任
直列型:A→B:A→B
《また絵所に上手多かれど》A
(左馬頭)あるいはまた、宮中の絵所には名人がたくさんいますが、
《墨がきに選ばれて 次々にさらに劣りまさるけぢめ ふとしも見え分かれず》B
主任である墨書きに選ばれる場合でも、序列通り上手い下手の差など少しも見分けがつかないながら、