心細きさまにておは 130

2021-03-09

原文 読み 意味 桐壺09章04@源氏物語

心細きさまにておはしますに ただわが女皇女たちの同じ列に思ひきこえむ といとねむごろに聞こえさせたまふ

こころ-ぼそき/さま/にて/おはします/に ただ/わが/をむなみこ-たち/の/おなじ/つら/に/おもひ/きこエ/む と/いと/ねむごろ/に/きこエさせ/たまふ

エ:や行の「え」

四の宮が心細い気持ちでいらっしゃったところ、「ただわたしの娘たちと同じ皇女の列に加わらせていただきたくて」と帝は大層心を込めてお誘いになる。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 に…と…聞こえさせたまふ:二次

〈[姫宮]〉心細きさまにておはします ただわが女皇女たちの同じ列に思ひきこえむ 〈[帝]〉いとねむごろに聞こえさせたまふ

助詞と係り受け

心細きさまにておはしますに ただわが女皇女たちの同じ列に思ひきこえむ といとねむごろに聞こえさせたまふ

「心細きさまにておはしますに」→「といとねむごろに聞こえさせたまふ」

心細きさまおはします ただわ女皇女たち同じ列思ひきこえ いとねむごろに聞こえさせたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:に む させ

  • :断定・なり・連用形
  • :意思・む・終止形
  • させ:尊敬・さす・連用形
敬語の区別:おはします きこゆ 聞こゆ させたまふ

心細きさまに ておはしますに ただわが女皇女たちの同じ列に思ひきこえむ といとねむごろに聞こえさせたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

同じ列 01-130:先帝と一院の関係

藤壺は先帝の娘で皇族の血を引いている。光源氏の父帝は一院の子とされていて、一院と先帝の系譜関係ははっきりしない。「同じ列に」考えてほしいということは、現在、皇女と認められていないことになり、先帝と一院とは別系統の皇統であったようだ。

心細き 01-130

後見がないことを痛感する。

いとねむごろに聞こえさせたまふ 01-130

「ねむごろに聞こえさせたまひけり/01-128」にもあった。三度あれば三顧の礼となるが、続く文では後見たちの勧めという形をとる。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:藤壺の宮皇女の身分

直列型:A→B:A→B

心細きさまにておはしますに》A
四の宮が心細い気持ちでいらっしゃったところ、


ただわが女皇女たちの同じ列に思ひきこえむ といとねむごろに聞こえさせたまふ》B
ただわたしの娘たちと同じ皇女の列に加わらせていただきたくて と帝は大層心を込めてお誘いになる。

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