かくてもおのづから 089

2021-03-08

原文 読み 意味 桐壺07章09@源氏物語

かくてもおのづから 若宮など生ひ出でたまはば さるべきついでもありなむ 命長くとこそ思ひ念ぜめなど のたまはす

かく/て/も/おのづから わかみや/など/おひ-いで/たまは/ば さるべき/ついで/も/あり/な/む /いのち/ながく/と/こそ/おもひ-ねんぜ/め/など のたまはす

こうなった今でも自然と、宮などご成長なさったら、相応な機会もきっとある。長生きをこそ念じなさい、などと母君への言づけをお伝えになる。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 のたまはす:三次

かくてもおのづから 〈若宮など〉生ひ出でたまは さるべき〈ついで〉もありなむ 命長くとこそ思ひ念ぜめなど 〈[帝]〉のたまはす

助詞と係り受け

かくてもおのづから 若宮など生ひ出でたまはば さるべきついでもありなむ 命長くとこそ思ひ念ぜめなど のたまはす

「かくても」「おのづから」(並列)→「ありなむ」(文の中止)

かくておのづから 若宮など生ひ出でたまは さるべきついであり 命長くこそ思ひ念ぜなど のたまはす

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:べき な む め

  • べき:当然・べし・連体形
  • :強意・ぬ・未然形
  • :推量・む・終止形
  • :勧誘・む・已然形(「こそ」の結び)
敬語の区別:たまふ のたまはす

かくてもおのづから 若宮など生ひ出でたまはば さるべきついでもありな む 命長くと こそ思ひ念ぜ めなど のたまはす

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

かくても 01-089

更衣は亡くなり、宮仕えに対する感謝の気持ちを示すことができなかったが、こうなった今でも。

生ひ出で 01-089

大きく育って表面にでる。成長する意だが、頭角を現すこともふくむであろう。

さるべきついで 01-089

しかるべき機会。光の君を東宮に冊立するなどの機会。

思ひ念ぜめ 01-089

心に強く願っていなさい。今はじっと我慢しなさいなど。「め(むの已然形)」は勧誘。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:光源氏母君

分岐型・中断型:A→(B→)C→*C+D→E:A→C、B→C、*C+D→E

かくてもおのづから》A
こうなった今でも自然と、


若宮など生ひ出でたまはば・さるべきついでもありなむ》 B・C
宮などご成長なさったら、相応な機会もきっとある。


命長くとこそ思ひ念ぜめ・などのたまはす》D・E
長生きをこそ念じなさい、などと母君への言づけをお伝えになる。

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