母御息所も影だにお 137

2021-03-09

原文 読み 意味 桐壺09章11@源氏物語

母御息所も影だにおぼえたまはぬを いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを 若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ

はは-みやすむどころ/も/かげ/だに/おぼエ/たまは/ぬ/を いと/よう/に/たまへ/り/と/ないし-の-すけ/の/きこエ/ける/を わかき/み-ここち/に/いと/あはれ/と/おもひ/きこエ/たまひ/て つね/に/まゐら/まほしく なづさひ/み/たててまつら/ばや/と/おぼエ/たまふ

母の御息所のことは面影さえ覚えておられなかったが、とてもよく似ておいでですと、典侍が申し上げたのを、幼き御心にとても恋しいと思い申し上げになって、常に側へ参りたい、心うちとけ拝顔したいと願われたものです。

文構造&係り受け

主語述語と大構造 とおぼえたまふ:四次

〈[光源氏]〉母御息所だにおぼえたまはぬ いとよう似たまへりと〈典侍の〉聞こえけるを 若き御心地いとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ

助詞と係り受け

母御息所も影だにおぼえたまはぬを いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを 若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ

「おぼえたまはぬを」→「いとあはれと思ひきこえたまひて」


「典侍の聞こえけるを」→「いとあはれと思ひきこえたまひて」

母御息所だにおぼえたまは いとよう似たまへ典侍聞こえける 若き御心地いとあはれ思ひきこえたまひ 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやおぼえたまふ

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助詞・助動詞の識別:ぬ り ける まほしく

  • :打消・ず・連体形
  • :存続・り・終止形
  • ける:喚起・けり・連体形
  • まほしく:希望・まほし・連用形
敬語の区別:御 たまふ たまふ 聞こゆ  きこゆ たまふ 参る たてまつる たまふ

息所も影だにおぼえたまはぬ を いとよう似たまへり と典侍の聞こえける を 若き心地にいとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばや とおぼえたまふ

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪;失われた意味を求めて

なづさひ 01-137

水に浸ると水が体にまとわるように相手にまとわる。

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:桐壺更衣光源氏藤壺の宮典侍

直列型:A→B→C→D:A→B→C→D

母御息所も影だにおぼえたまはぬを》A
母の御息所のことは面影さえ覚えておられなかったが、


いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを・若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて》B・C
とてもよく似ておいでですと、典侍が申し上げたのを、幼き御心にとても恋しいと思い申し上げになって、


常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ》D
常に側へ参りたい、心うちとけ拝顔したいと願われたものです。

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